【中学入試に採用された本4】リマ・トゥジュ・リマ・トゥジュ・トゥジュ こまつあやこ 講談社
- 2021年10月9日
国語の力を伸ばしたいけど、
どんな本を読んだらいいの?
そんな小中高校生に
2020年度、実際に中学入試で採用された
おすすめの本をご紹介。
「リマ・トゥジュ・リマ・トゥジュ・トゥジュ」
こまつあやこ
(講談社)
~紹介~
中二の九月に、マレーシアからの
帰国子女になった沙弥は、
日本の中学に順応しようと四苦八苦。
ある日、沙弥は
延滞本の督促をしてまわる三年の
「督促女王」に呼び出されて
「今からギンコウついてきて」と言われ、
まさか銀行強盗?と沙弥は驚くが
それは短歌の吟行のことだった。
短歌など詠んだことのない沙弥は戸惑う。
しかし、でたらめにマレーシア語を織り交ぜた
短歌を詠んでみると……。
2017年講談社児童文学新人賞受賞作!
ごはんからココナッツのにおいがしない。
「さーや、何やってるの」
わたしが給食のクリーム色の器に
鼻を近づけてひくつかせていると、
朋香ちゃんは新種の生きものを見つけたみたいに、
好奇心と不安の混ざった声できいてきた。
「え、何でもないよ! コシヒカリかなーとか思って」
新種の生きものなんかになりたくないわたしは、
あわてて器から顔を離した。
やばいやばい。
わたしは周りの給食班をキョロキョロと見まわした。
「マレーシアではココナッツミルクで炊いたごはんがあってね」
なんて話し始めたら……。
きっと「帰国子女ぶってる」とか、
周りにコソコソ言われちゃうんだろうから。
帰国子女として転入してきて二週間。
まだまだ気が抜けない。─本文より
講談社HPより
《入試採用した中学校》
栄光学園中、浦和実業学園中、大妻多摩中ほか
国語の力を伸ばしたい受験生に。
受験を控えるお子さん、お孫さんへのプレゼントに。